現代中国法学事始 PRC law initiation
改革開放以降、中華人民共和国(中国)の経済発展は人々の注目を集めています。豊かさを求める人々とその労働力を製品に変える人々との間の需要と供給が結びついてゆきました。大量の安価な労働力を活用して商品を製造して世界各地へ運送して商売するという風潮。この風潮に乗って中国は「世界の工場」と言われるまでになりました。
しかし、その一方で、格差の拡大、環境汚染、貿易摩擦なども注目を集めています。利益の獲得は、安価な原価に利潤を加えて販売するしかありません。効率の最大化が経済発展を推進するので、プラスの面が生じればマイナスの面も同時に生じます。私たちは、マイナス面も含めた発展を中国の社会発展として理解する必要があります。
中国と向き合うときに重要なことは不安の抑制です。
なぜなら、隣人の不安は自らの平和を脅かし、自らの不安は周囲に伝播するものだからです。たとえば、賃上げ闘争、ストライキ、サボタージュ、あるいは反日デモ等といった集団行動は、その典型的な例と言えるのではないでしょうか。低賃金ではないかという労働者の不安、ストライキで生産ラインが停止するのではないかという使用者の不安、都市機能の麻痺につながりはしないかという政府の不安、商品を入手できなくなるのではないかという消費者の不安、強者の立場でこれまで搾取されてきたのではないかという不安などが連鎖的に生じ、それが大きな動きとなって、なにがしかの集団行動につながってゆきます。
厄介なことに、不安を完全に解消することはできません。不安を抑制するためには、知らないことがない状態にし、分からないことがない状態を維持し続けるしかありません。「現代中国法を科学する」ことは、そのための適当なアプローチを提供します。
